acas社長 大浦昌尚ブログ
カーテンが開いた 3
夢の家フェスティバルの打ち上げを
47名が参加して開催した
25年の年月が経とうが
「カーテンが開いた」に登場する職人たちと
同じ心意気の人たちがいることを
うれしく思う
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『カーテンが開いた』3
こいのぼりが春空に、あえいでいた。
兵庫県立こども病院の工事現場。
入院中の子どもたちのためにと、
高さ40メートルのクレーンにつるしたこいのぼり。
六甲おろしと浜風が、「こい」をからみつかせるのだ。
■子どもが喜んどる
毎日、クレーンに上ってこいのぼりを直すのが
鳶(とび)の安永政勝の日課になった。
「子どもが喜んどる。これはおれの仕事」。
そう思うと楽しかった。
こいは大丈夫やろか。
朝現場に来ると目は自然とクレーンにいった。
そんなころ、作業所長の関吉和明に電話が入った。
上品で落ち着いた声。
「こいのぼりを直しに上がってくれる作業員さんに、
子どもが手を振っています。
振り返してもらえないでしょうか」。
看護部長中田美代子(55)からだった。
■人間に振ってるんだ
関吉ははっとした。
そして気づいた。
「あの子らこいに手を振ってるんじゃない。
人間に振ってるんだ」と。
安永も手を振ってなかったわけではない。
広い病棟。視野に入らない時もあったのだ。
この後、安永は子どもたちの姿の確認を忘れなかった。
ゴールデンウィーク。
誰もいない現場に作業所の安達聡がいた。
こいのぼりが心配でぶらっと寄ったのだった。
案の定、からみついている。
1m63cm、80kg。
昔を思い出し初めてクレーンに上った。
連休明けの5月6日朝。
久しぶりに顔をそろえた男たちに
プレゼントが待っていた。
■窓に「ありがとう」
8時半の朝礼を終え関吉が現場内を回っていた時、
作業員の一人が指さした。
「所長、あれあれッ」。
病院5階の窓に10枚の紙がはられていた。
「こ・い・の・ぼ・り・あ・り・が・と・う」
子どもたちの気持ちを八木操(46)ら保母二人が
代筆したものだ。
涙もろい関吉は、顔を見られまいと、
うなずくように頭を下げた。
(敬称略) 1994年(平成6年)2月9日
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今自分たちが、子どもに関する建築に
かかわらせていただいていることも
うれしく思う
その一つの保育園の見学会を
17日に開催させていただく
すでに開園しているのを
特別に見学させていただける貴重な機会なので
よければ見ていただきたい
参加希望の方はご一報お待ちしています