acas社長 大浦昌尚ブログ
アップサイクル
「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。 従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。
留学生用の賃貸マンションとして使われていた築20年の建物を
一般賃貸マンションにリノベーションするプロジェクトが竣工しました。
下層階は28㎡のワンルームマンションでこれを1DKにしました。
サイズ1014という小さなの2点ユニットバス
2点ユニットバスとはお風呂に洗面化粧台が入っているタイプです。
3点ユニットバスはさらにトイレが入ります。ビジネスホテルでは見かけますが毎日の生活では不自由です。
私も独身時代は3点ユニットバスでしたが、トイレットペーパーがふやけたりとあまりいい思い出はありません。
そのユニットバスを1116にサイズアップ、さらに洗面化粧台は幅が750㎜の2面鏡付きのものにして洗面室まで作りました。
ダイニングキッチンと洋室はアルミの3枚引戸で仕切りました。これもテレワークが増えた今は大変重宝されています。
上層階は44㎡の1LDKでした。これを48㎡の1LDK+WIC(ウォークインクローゼット)にしました。
大変大きなバルコニーがあったため、法的に可能な範囲で屋内空間に取り入れました。
玄関を入ってすぐがリビングだったのですが、WIC、その奥に洋室としました。
このWICが玄関からも洋室からも出入りできるウォークスルータイプとしたため帰宅時にすぐ着替えることができるなど、とても好評です。
さて、これらはスケルトン(躯体以外を解体)で行ったのですが、コストの関係で排水竪管のみ残しての計画となりました。
これが割かし大変なことで、苦労したところでもあります。
限られたコストの中で最大限の効果を出す必要があります。
さて、共用部です。20年前の賃貸物件なので玄関は自動扉ではありませんでした。宅配ロッカーもありません。ただ広いだけのエントランスホールは壁全体が掲示板となっていました。(笑)
一方、美点凝視するとエントランス正面の裏庭がよく手入れされた和風のお庭でとてもきれいでした。
これを活かしたい…でも、裏のマンションが丸見えです。
そこで裏庭とのつながりでエントランスにもちょっと和のイメージを持ってきて、無駄に広かったエントランスに舞台をつくり、株立ちと蹲に見立てたオブジェを置きました。
オブジェはスチールにピアノ塗装の仕上げでまるで水盤のように映り込みます。東大阪の職人さんが3回もやり直し磨き上げてくれました。
据え付けに来てくれた職人さんが熱く語ってくれました。うれしい限りです。
さて、この建物には集会室があります。留学生のコミュニティのためだったのでしょう。これの活用を求められました。
コインランドリーやトランクルームなど提案させていただき、その中からコワーキングスペースに決まりました。
テレワークが増える中、コワーキングスペース付きの賃貸マンションはこれまた重宝されます。もちろん、手洗いも完備です。
新築ではないので解体してみないとわからないことなどたくさんありました。その場その場で全体最適な判断を求められました。しかし、クライアント、ゼネコン、電気屋さん、設備屋さんはじめ多くの方々の協力、思いのお陰で無事竣工お引渡しさせていただくことができました。
やっぱり現場は楽しいです。ちょっと「紅梅町ロス」になりそうです。もう一度このメンバーで一緒にお仕事をさせていただきたいと願っていますし、このような方々が増えるともっと世の中が良くなるのではないかと思っています。