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杉谷
泰
Yutaka Sugitani
『建築美』
2011.01.17
杉谷です。
週末に社内研修で、桂離宮の実査に行ってまいりました。
実は昨年参観する計画としていましたがその際には予約が取れず、今回ようやく「日本の美のシンボル」と称される桂離宮を
拝見することができました。
桂離宮はおよそ400年前、江戸時代のはじめに建てられた貴族の別荘です。昭和のはじめにドイツの建築家ブルーノ・タウト
が訪れ「涙が出るほど美しい」と絶賛して以来、ヴァルター・グロピウス、ル・コルビュジエ、フランクロイド・ライトなども訪れ日
本建築のシンボル的存在となりました。
同じ時代にヨーロッパで流行した「パースペクティブ」や「黄金比」といった手法も取り入れられミース・ファン・デル・ローエの
ファーンズワース邸とよく似ていると言われています。
「月」がコンセプトになっているのは有名かと思いますが、木陰の満月・池や手水鉢に映る姿・月の動きすべてが景色の一部
として計算されています。貴族の別荘として建てられたにも関わらず、古書院の「月見台」には手摺がない。安全面よりも、
月見台から水面に映し出される月を遮らないようあえて設けていません。
その他、通風や採光のしかけなど細部にまでこだわり造られた日本の建築美を再認識できます。
広大な敷地に敷かれた人一人歩ける幅の石畳。
その石畳をゆっくりと歩く贅沢はなんともいえません。
しみじみと感激しました。