acasスタッフブログ
HOME > acasスタッフブログ > 建築の根本
杉谷
泰
Yutaka Sugitani
建築の根本
2011.12.12
月曜日担当杉谷です。
先週、関西建築家大賞の授賞式&トークイベントに参加してきました。
受賞者は、若手建築家の矢田朝士さん。審査員には建築家の香山壽夫さん。
司会進行役として、同じく建築家の竹原義二さん。
受賞作の矢田氏の二つの作品は、住宅を作り出す、本質的でかつ普遍的な設計手法を提示されていました。
鋭い作品は時に造形的表現として貧しかったりあるいは、実際の生活の対応において弱かったりすることが
多く見受けられますが、この作品はそうではなく、敷地の条件に対応し、住む人の生活を賛美するものと
なっていました。
建築空間は本質的に周辺から自己を切り取り囲い込むことにより、始まるもので内部を自己の延長として確立する
過程でその空間は外に向って開かれるものだと思います。
したがって建築空間は常に二重の囲いと成立しています。この建築の根本的な概念を矢田氏の作品は明確な
「Shell」(入れ子状)という形で表現されていました。
その二重の入れ子状の囲いの隙間から、
光は優しく差し込み、雨も優しく振り込み、中に住む人の表情は喜びに満ちていることに感銘を受けました。
建築が人に与える喜びや感動、感謝を改めて感じることができた時間でした。