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アバター画像 二川 健一 Kenichi Futagawa

最初に好きになった建築-④

2012.04.12

二川です。

 

最初に好きになった建築。

有名どころでは、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・パビリオン。

直線的で無駄の無いデザイン。シンプルでシャープな床・壁・天井。

初めて「美しい」と感じた建築。

シャープでエッジの効いたデザインを好むのは、

この建築の影響を受けていると思う。

それと、以前勤めていた設計事務所だが、初めて

実施設計図の作図を担当した賃貸マンション。

15年ぐらい前になる。

 

3階建てで戸数は15戸、住戸面積は70㎡前後の小規模なI型配棟のマンションだが、

非常に印象に残っている。

まず、特徴的なアール屋根。中央1スパン分はフラット屋根にし、マリオンと共にファサードを分節。

テクスチャーは1・2階をアースカラーのボーダータイル貼りとし、3階は打ち放しコンクリート。

エントランス廻りは重厚な庵治石貼りとし、入り口はあえて

サンドインすることにより、プラバシー性と落ち着きを演出。

エントランスの横にある受水槽を同じ庵治石貼りのウォールで囲い、

目隠しと共に全体にボリューム感を与えていた。

また、道路からアイキャッチとなるコーナー部のガラスブロック壁も目を引く。

五月山の山並みと周辺環境に調和しながら、上質感を放っていて、

今見てもあまり古さを感じず、本当に目を引く。

   

この物件を通じて、デザインのおもしろさ、意味、必要性を初めて感じ、そして考えさせてもらった気がする。

 

この物件をメインで設計・デザイン担当した方は、その昔、某有名デベロッパーの高級分譲マンションの設計を

数多く手掛けられていた。

いつも、チノパンとダンガリーシャツにネクタイで、おしゃれで拘りのある方だった。

この方に建築のおもしろさをいろいろ教えていただいた。

初めて憧れた設計者だった。

 

実際、この物件が出来上がったのを見たときは、本当にここに住みたいと思った。

その理由は単純明快で、「このマンションに住んでいたら自慢できる」と思ったから。

また、オーナー様が誇らしげにされていたのを見て、うれしかったのを鮮明に覚えている。

今回のテーマは、それが我々の仕事の源であり、目指すところであるということを

改めて想ういいきっかけになった。

Profileプロフィール

アバター画像 関東エリアマネージャー 二川 健一
生まれも育ちも大阪市内。40代の娘二人を持つパパです。仕事・プライベートでの出来事において、建築・デザインに通ずることを自由にアップさせて頂きます。

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