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建築雑学 by二川
昨日、樹木材料検査のために熊本に行き、
初めて馬刺しを食べた木曜日担当二川です。
先週はおもしろ建築用語(動物編)だったが、
今回は建築用語が語源の言葉をいくつかピックアップしてみた。
【几帳面】
床の間などにつくられた違い棚の小柱の角や、室内の仕切りに使う屏風の柱に施される
複雑で細かい面取りの細工を差す言葉で、正確な技術を要した。
これが転じて、物事をきちんとしている人や規則正しい人を指すようになったという。
【羽目をはずす】
羽目板とは、壁面に板を平坦に並べて張り付けることで、そのきれいに張った羽目
をはずしてしまうと台無しになってしまうことから生まれたという説と、
荒馬の口に噛ませる馬術(はめ)をはずすと馬が暴れ出すことから
生まれたという説があるが、後者のほうが有力らしい。
【埒があかない】
埒(らち)とは、馬場の周囲の柵や、しきり、低い垣のこと。
埒が開くことは仕切り、障害物が取り除けられることなので、
そこから物事の片がつくという意味になった。
【柿(こけら)落とし】
「こけら」とは木材を削った時に出てくる切りくずのこと。
昔の芝居小屋の屋根は板葺きでできていたので、芝居小屋の新築や
改築工事の最後に、屋根などの「こけら」を払い落としたことから、
完成後初めての興行を「こけら落とし」というようになったとのこと。
【いの一番】
昔の大工さんが家の柱の墨出しをするときに柱に付けていた番号が語源。
縦方向に「い、ろ、は、・・・」、横方向に「一、二、三、・・・」という風に「番付」と呼ぶ符合を
付けていた。そして、一番最初に建てられたのが「い・一」の柱だったことからこの
言葉が生まれたとのこと。
【結構】
中国では構えの結ぶという字のとおり、建物を構築することを言った。
日本でも建物の構築が優れていることを「見事な結構」と言って誉めていたが、
やがて素晴らしいことを意味するようになった。
【がらんどう】
漢字では「伽藍堂」と書き、もともと広く立派な寺院の意味で、物があまりなく、
人もあまりいない様が転じて「伽藍堂のように何もない」と言われるようになった。
まだまだ、普段何気なく使っている言葉に建築に関係している言葉がいっぱいあると思う。
それだけ、建築が人と密接に関係しているということだと思う。