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ローマコンクリート
杉谷です。
「ローマコンクリート」
名前は聞いたことがありましたが、具体的には・・・。
とある番組で取り上げていたので、掻い摘んで。
コンクリートの歴史は古く、紀元前には使用されていたことが
発掘された遺跡調査などから確認されています。
ローマ帝国時代には革新的な建設材料として帝国の発展に
大いに貢献し、約2000前に栄えたローマ帝国の大規模な
建築活動を支えたのがコンクリートでした。
ローマ帝国以前のコンクリートは石灰(気硬性)で、
固まるのに時間がかかりました。
ところがローマ人は、紀元前2世紀頃にイタリアの
ポッツォリ近郊の火山性堆積物(ポッツォラーナ)などを
使用することにより、水を混ぜるとすぐに固まる(水硬性)
コンクリートを発見しました。
(気硬性:乾燥により硬化するもの、
水硬性:水との化学的な反応により硬化するもの)
その特性を生かし、コンクリートをアーチ式工法に適用し、
梁と柱による構造では不可能であった大規模かつ多様な
構造物を可能にしていきます。
また、アーチの原理を応用したヴォールト天井が造られ、
内部空間や室内照明に革新的な変化が生まれ、
これが、コロッセオやパンテオンなどの古代コンクリート建築物
へとかたちを変えていきます。
現代のポルトランドセメントはアルカリ性になる
化学反応によって結合しているため、
炭酸化によって表面から中性化することでしだいに
強度を失っていきます。
そのため、コンクリート建造物の寿命は、
長寿命とはいえません。
これに対して、古代コンクリートは、
地中の堆積岩の生成と同じジオポリマー反応
という反応によって結合して形成するため、
強度が数千年間保たれているそうです。
今もなお、形を残し、
未来へと続いていく先人の知恵。
なるほどな~と感動し、
研修でローマを訪れたい・・・
なんて思い始めた今日この頃です。