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比土平
雅彦
Masahiko Hidohira
建築の向こうに何を見るのか
2014.10.31
金曜日担当の比土平です。
昨日、手塚貴晴氏の講演会「人は建築の向こうに何をみるのか?」
に所員全員とお世話になっている方々とで行ってきました。
興味深い話ばかりであっという間の2時間でしたが、
時に印象的だったのが小児がん専門治療施設についての提案でした。
入院経験がある方はご存知だと思いますが、
付添いの方の宿泊は認められていないことが多いので、
個室でない限り付添い人の休むスペースがありません。
それでも患者がわが子であれば、
親が家に帰れるわけもなく、
簡易ベッドを狭小なスペースに押し込むことになります。
更に小児がんの場合、
数週間の無菌治療が必要で親とも隔離されてしまいます。
私も中1の時に1週間ですが入院したことがあるのですが、
母が私のベッドより低い簡易ベッドで狭いところで一緒にいてくれた事には、
ありがとうと、ごめんなさいという気持ちが混じっていたのを思い出しました。
この施設で最期を迎える場合もあるなか、
制度だから、規則だからで流すのではなく、
こうすれば子供が感じる寂しさを減らすことができる、
こうすれば親の負担も減り子供との時間を増やすことができる、
という建築により変える事が出来る何かを探し、
提案されていました。
日々考え抜こうと思っていましたが、
いただいた要望をただ実現しよう、
という所で止まっていたと痛感し、
また、
自分が思っていた以上に建築には可能性があるのだと、
教えてもらいました。
少しでも手塚氏に近づけたらと思います。