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杉谷
泰
Yutaka Sugitani
意味を考える
2015.01.26
杉谷です。
日本の庭園には様々な手法が存在します。
「虎の子渡し」という枯山水の石庭をご存じでしょうか。
先日おとずれたポートランドの日本庭園にも用いられていました。
日本では京都の龍安寺、南禅寺が有名です。
一体何を表現しているか。
ポートランドの石庭
虎の子渡しとは、親虎が子供を連れて川を渡っている姿を見立てて、
「虎の子渡しの庭園」と言われるものですが、
名前の由来は、中国の古い故事にあります。
虎が三匹の子を産むと、その中には必ず悪虎(ひょう)がいて、
他の二匹を食べようとするので川を渡る際に苦労するというのです。
ある時、三匹の子虎を連れて川を渡ろうとした母虎は、
子虎を一匹しか背負って泳げないため困り、
悪虎と他の子虎を川岸に残すと子虎が食べられますから、
母虎はまず悪虎を背負って対岸へ渡った。
次に悪虎を置いておいて元の岸に戻り、
子虎を背負って再び川を渡る。
向こう岸で子虎を降ろし、悪虎を背負って戻る。
悪虎を元の岸に置いておいて、もう一頭の子虎を背負って向こう岸に渡る。
最後に母虎はまた戻り、悪虎を背負って渡る。
これで悪虎に食べられることなく川を渡れるというこなのです。
虎の子渡しとは、要は生計に苦労するさまを見立てている庭だそうです。
単なる石庭ではなくそこには意味が存在します。
とてもシンプルですが、作者が伝えたいもの、メッセージはなにか?
日本庭園の魅力はそんなところにも存在します。