acasスタッフブログ
メキシコ研修旅行
私もメキシコのことを、少し書かせてもらいます。
メキシコと言えば、ルチャリブレ。
ミル・マスカトゥ
建築的に言えば、ルイス・バラガンですよね。
今回はガイドさんの説明付きで、バラガン建築ツアーです。
世界的な建築家なのに、バラガン建築はメキシコにしかありません。
ですがメキシコは治安が不安で、バラガンは見たいものの入国することはないのだろうな、と思っていました。
それがまさか行けるなんて!って
興奮を抑えつつメキシコ行きの飛行機を待っていたら、いつもはスカした狩野君が...
これは楽しい旅になるぞ、と思わせてくれました。
本物は大したことないな、写真の方がよかったな、
と感じてしまう建築は時々あります。
バラガン建築はその逆で、
写真も美しいですが、それを超える感動がありました。
ヒラルディ邸です。
ここは廊下なのですが、奥行きはあるものの広くはない空間に、こんなに黄色を使う提案ができるかなあ、
できないなあ、と考えたり。
住宅ならもっと落ち着いた色味をって言いがちですが、毎日こんな廊下を歩けたらいいな、というのが実際立ってみての感想です。
日光を優しい色に変換するフィルターのようで、まったく目を刺すような厳しさはありませんでした。
スリットにはガラスがあるのですが、これも黄色く塗られています。
そして突き当りのドアを開けると...
一筋の光と青い壁面が現れます。
美しいコントラストでした。
住宅とは孤独を愛する人のために、という哲学を持ってバラガンは設計していたそうです。
そのせいか、外と中ははっきりと分かれており、玄関に入ると静けさに包まれます。
しかし、そんなプライベートな空間に、光をしっかりと取りいれられています。
ヒラルディ邸に限らず、バラガン建築の主役は光のようです。
ここはダイニングとプールです。
水盤ではなく、プールです。
中庭にはジャカランダの木があります。
この木があったから、晩年のバラガンはこの設計を請け負ったそうです。
そして、バラガン最後の作品になりました。
右手の黄色のスリットが、先ほどの廊下のスリット窓です。
建築が木を避けて建っています。
空気は薄いが青い空。
軽い頭痛が続きますが、気持ちいいです。
彼はずっと快調でした。