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杉谷
泰
Yutaka Sugitani
百聞は一見に如かず
2021.03.01
安藤氏が手掛けた「こども本の森 中之島」を見学に行ってきた。
大阪市立東洋陶磁美術館に隣接し、さらに左奥には大阪市中央公会堂という立地。
子どもたちをエントランス・ポーチで出迎えるのは「永遠の青春」と名付けられた青リンゴのオブジェ。
通常の図書館と異なり、「こども本の森 中之島」は本を借りて帰ることができない。しかし市民らの寄贈を含む蔵書1万8000冊の本を、館内で自由に読むことができる。
「すべて子どものための閲覧室。大階段に腰を掛けてもいいし、階段裏や書棚の合間に生まれた小さなスペース、窓際のソファ、そしてエントランスポーチにつながる川沿いのテラスなど、どこでも好きに読書ができる。館内だけではなく、公園に本を持ち出して楽しむ仕組みをつくることで中之島公園の一帯を「本の森」にしよう」というのが、安藤氏のコンセプト。
壁全面が本棚で覆われた三層吹き抜けの空間。
この先にはなにがあるのだろう…。
吹き抜けやブリッジで複層的な空間が構成されている。
書棚のあいだに設けられたスリット状の開口部にもベンチシートが設けられている。遊び心に満ちた仕掛けが子どもたちの好奇心をくすぐる。
大人は少し狭い通路も子どもたちにとってはこれぐらいがちょうどいいのだろう。
やはりここにもあった…。
子どもたちにとって居心地のいいサイズ感ですべてが構成されている。
天井の低さが、安心感を与える。
天窓から光が差し込む安藤建築らしい空間に、『本のかけら』が流れる。
映像が止む時間も設けられ、空間そのものも堪能できる。
是非訪れて空間を体感いただきたい。