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スリランカ研修旅行~ブリーフガーデン
アマン・リゾートに大きな影響を与えたと言われるジェフリー・バワの建築をテーマに、
スリランカ研修旅行に行ってきました。
機内泊含めて6泊7日の旅でしたが、そのなかで印象的だったのが、「ブリーフガーデン」という広い庭園付の邸宅です。
庭園のほうがおそらく主役です。
茂みの中に縦格子の門扉が見えますが、さりげなく入口です。
緑の中に入っていくようで、この先どうなっているんだろう?
と思わせるアプローチです。
中に入って先ほどの門扉を振り返ります。
ジャングルのような小径です。
鬱蒼とした茂みを歩くと、
石張りのステージのような場所もあります。
ここもまだ木立の影に覆われています。
オープンな場所もありました。
数分歩いてやっとコロニアル洋式の邸宅です。
数十分だったかもしれません。
正面にはフランジパニの木。
スリランカはイギリスに統治されていたことから、街中でも、建築、庭園からヨーロッパ様式が多く見られます。
母から譲り受けたゴム農園(約200ha)の一部に、ジェフェリー・バワの兄であるベイビス・バワ(セイロン政府高官でありランドスケープ・アーキテクト)が、自邸と庭園をつくり「ブリーフガーデン」と名付けました。
庭をいかに美しく見せるか、ゆったりと時間をすごせるか、を命題にしているのはジェフリー・バワと同じようで、今回の見学中に何度ゆっくり泊まってみたいと思ったことか。
ベイビス・バワと5年間、ここに暮らしたドナルド・フレンド(オーストラリアのアーティスト)の影響もあり、画、写真、彫刻、アートが並びます。
(当時からあったものと、一般公開されて彼らの作品が展示されるようになったものも含まれているようです。)
庭にもアートが溢れています。アートです。
ブルーの扉はアートではなく、トイレの扉です。
絵になりますね。
レンガのゲートを通して見せられると、やり過ぎじゃないのかと思いつつも、前半の鬱蒼とした小径の先にこんな場所があるなんて。
ファンタジーと何とも言えないものが、交互に来ます。
バランスを取っているつもりなのか?、と思ってみたり。
アートです。
人為的なのか、自然にできたものなのか。
ベイビス・バワとドナルド・フレンドの5年間、充実していたのですね。
「ブリーフガーデン」の何が印象的だったのか。
ここだけジェフリー・バワの設計ではなかったから当然と言えばそうなのですが、
インフィニティプールや窓の外にはサルがいる!等々、自然とダイナミックに融合する、「熱帯建築家」ジェフリー・バワとは明らかに方向性が違います。
自分の感性のみ満たそうとしている、健全ではない、でも陽気な芸術性と言うのでしょうか。
スリランカは日本に比べカラっとしていて、温度のわりには暑さを感じませんでした。
でもここは、じわっと湿度を感じます。
不快という意味ではなく、むしろ心地いい空間の連続でした。
ここに暮らせば時間がゆっくりになるんだろう、そんな邸宅付きの庭園でした。